tomo-G の日常

定年退職後のG(爺)の日常です。

高価買取

訳あって3年半前に自宅近くに借りた2LDKのアパートを、今月末で引き払うことにした。 部屋には家具・家電一式を買い揃え、偶然ではあったけれど、コロナ期間中は家族が感染した時の隔離部屋として随分と活躍した。けれど、いざ退去となるとひと仕事だ。家電…

春の味覚

田舎で暮らしていると、知り合いの農家の方や、家庭菜園に励むご近所さんから、頂きものをすることが少なくない。季節季節の新鮮な野菜を頂くことが多くて、本当にありがたいことだ。 特に今の季節は、筍や新玉ねぎを食べ切れないほど頂くことがある。もちろ…

春の音

花チラシの雨の翌日、両親に左右の手を引かれた一年坊主が、ランドセルを背負いながら、調子っぱずれの大声で「一年生になったーらっ!」と歌いながら小学校に向かって行った。 同じ日、用水路の水門が開いて生命の水がほとばしり、その水が近隣の田んぼにく…

とらねこパン店

Gのお気に入りの散歩コースには、「しんちゃんトンネル」のほかに、もう一つ気になるスポットがある。 その名は「とらねこパン店」。 JRの駅や主要道路から大きく外れ、周囲には田圃と雑木林しか見当たらない場所に、その店はある。 Gが散歩をする早朝はもち…

しんちゃんトンネル

我が家の娘たち(すでに三十路だが…)が卒業したM小学校の近くに、子供たちが「しんちゃんトンネル」と呼ぶ隧道がある。近隣の子どもたちなら、幼稚園児でも知っている。 我が家の娘たちが小学生の頃は、すでにその呼び名は子供たちの間に定着していたはずだ…

老人の徘徊

いよいよ、リタイア生活の開幕だ。 本当なら先週の土曜日からスタートのはずだったけれど、義父の葬儀があって3日遅れの開幕戦だ。 リタイア後の生活で、必ずやろうと決めていたのが早朝の散歩だ。 現役の頃、奥方の運転で最寄り駅まで送ってもらう道中、何…

弟子

3月29日、Gの最終出社日の夜、義父が亡くなった。 奥方の父親である。 92歳の大往生だった。 義父は某乳業メーカーのサラリーマンだったが、仕事一筋、貯金が趣味のような人で、遊興とか無駄遣いとは無縁の人だった。Gが若い頃、決して折り合いが悪かったわ…

晩酌

酒場放浪記の吉田類さんは、肴に刺身が出て来ると、決まって「こうなると、やっぱりお酒ですね!」と言って日本酒を所望するのだ。 この「こうなると、やっぱりお酒ですね!」という感覚が、Gにはつい最近まで理解できなかった。 還暦を迎えるまでは、自宅で…

深海釣り②

Gの深海釣りデビューは、自宅から車で30分ほどの片貝港からだった。片貝の勇幸丸は釣りジャーナリストの盛川宏さんの著書にもしばしば登場する船宿で、先代の頃はよく深海釣りにも出船していたらしいけれど、代替わりをしてからは、お客さんのリクエストがな…

深海釣り①

過去の記録をたどると、Gの初めて深海釣り挑戦は2013年1月まで遡る。ただし、準備期間まで含めるとさらにその1年前と言うことになる。 深海は、一般的には水深200mより深い海を指すそうだけれど、釣りの世界では200m前後は中深海、本格的な深海は500m以深と…

酒亭「海彦」

ふた昔も前のはなし、新橋に『海彦』という酒亭があった。釣り好きの大将が脱サラをして始めた店で、7、8人も座れば肩が触れ合うカウンターと、6人も座れば足も崩せぬほどの小さな小上がりのある店を、大将と元気な二人の老姉妹が切り盛りしていた。あの二人…

釣ったら、食べなきゃ!

みなさんは、釣りジャーナリストの盛川宏さんをご存知だろうか?釣り業界では名の知られた方で、Gも大ファンの一人でした。 言うまでもなく、Gは2007年に鬼籍に入られた盛川宏さんの知己を得ていた訳ではないけれど、本稿では同じく釣りを愛する大先輩に敬愛…

リュウ

Gの相棒のリュウは、この春小学生になります。 リュウとは、彼が物心つく前から一緒に暮らしてきたので、別居が当たり前の当世の「爺孫関係」とは少し違うかも知れません。 しかも、リュウの父親は仕事の都合で年に数えるほどしか家に帰って来れないので、G…

魚釣りとマイカー

30歳を過ぎた頃から、「趣味は?」と尋ねられると決まって「魚釣り!」と答えてきました。 当時は都心近くの社宅に住んでいて、船釣りに行くとなると片道2時間以上、ちょっと渋滞にハマれば3時間以上ということもざらでしたね。 そんな訳で、36歳でマイホー…

カウントダウン

Gは子供のころ、母から「あなたはホントに怠け者ね」とよく呆れられたものです。勉強や手伝いが大嫌いで、辛いことはできるだけ避けて、毎日遊ぶことばかり考えていたピオノッキオのような少年だったのだから当然ではあります。 長じて社会に出てからも、興…