tomo-G の日常

定年退職後のG(爺)の日常です。

釣ったら、食べなきゃ!

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みなさんは、釣りジャーナリストの盛川宏さんをご存知だろうか?釣り業界では名の知られた方で、Gも大ファンの一人でした。

言うまでもなく、Gは2007年に鬼籍に入られた盛川宏さんの知己を得ていた訳ではないけれど、本稿では同じく釣りを愛する大先輩に敬愛を込めて「盛さん」と呼ばせて頂きます。

さて、盛さんは元々は日刊スポーツ編集局レジャー部長として釣り誌面の制作に携わっていたのですが、46歳でフリーの釣りジャーナリストに転身されます。

その時の経緯や心情は、ご自身のエッセイの中でもたびたび触れられていて、「軽々に会社を辞めてはいけない」と、Gの様な思慮浅薄な後進を戒めています。

その後は、失意の時を経て、全国紙やスポーツ紙、雑誌などでエッセイやコラムを連載し、それらをまとめたエッセイ集を何冊も上梓されました。

また、1999年の隔週刊誌「つり丸」の創刊にあたっては、自ら編集長となって誌面作りに活躍されたことでも知られています。

そんな盛さんの座右の銘は「釣って成仏、食べて功徳」、つまりは「釣ったら、食べなきゃ!」と言うこと。

スポーツフィッシングでのキャッチ&リリースの精神とは一見相容れない様にも映るけれど、「食べない魚は釣らない」「食べる分しか釣らない」と言う盛さんのポリシーは、「資源を大切にする」「命を粗末にしない」と言う点で、キャッチ&リリースの精神と根っ子は同じです。

ところで、盛さんの著書には「坊主礼賛」の様な釣りや魚に対する深い造詣に裏打ちされたスマートなエッセイ集がある一方で、漫画家北見けんいちさんの挿絵に思わずニンマリしてしまう軽妙洒脱な人気シリーズ(釣りきち料理帖等)があります。

「釣りきち」と「のんべえ」と「食いしんぼう」が、今日も今日とて活魚屋の白木のカウンターに並んで、酒と魚と釣りと料理に蘊蓄を傾け丁々発止とやり合うけれど、最後は皆んなで酔っ払ってお決まりの大円団。

馬鹿馬鹿しくてワンパターンだけど、いくら読んでも飽きないところは、どこか吉本新喜劇みたい。

Gが釣りを始めたのも、「釣りきち料理帖」が切っ掛けだったな。釣りに行けない休日には、今でも時々書棚から取り出しては、一人でニンマリしているGです。