tomo-G の日常

定年退職後のG(爺)の日常です。

とらねこパン店

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Gのお気に入りの散歩コースには、「しんちゃんトンネル」のほかに、もう一つ気になるスポットがある。

その名は「とらねこパン店」。

JRの駅や主要道路から大きく外れ、周囲には田圃と雑木林しか見当たらない場所に、その店はある。

Gが散歩をする早朝はもちろんだけれど、昼間になってもそのパン屋は店を開かない。何せ、日曜日から金曜日までは定休日で、営業するのは土曜日だけなのだ。

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店長はとらねこの「みー」、らしい。

これは行ってみるしかあるまい。

土曜の昼前、雨が上がるのを待って尋ねてみた。

Gの前に1組の先客がいた。店内が極端に狭いので、外で待っていると、小さな子供連れの夫婦が店から出て来た。

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Gは先客夫婦と入れ替わりに店内に入った。

「ようこそ、とらねこパン店へ!」

生憎ねこ店長の「みー」は不在だったけれど、人間の若い男性2人がハイテンションで出迎えてくれた。まるでウルトラマンショーの司会のお姉さんだ。

さて、どのパンにしようかと選ぼうにもパンの種類が多すぎて困惑していると、人間の従業員さんが息つく暇もなくアレコレと製品紹介をしてくれるので、余計に頭がこんがらってしまう。

まずは、孫のリュウ用に猫の顔が描いてあるクリームパンを注文すると、

「どの子にします?」

ときた。

「へ?」

「一人ひとり顔の表情が違うんですけど、どの子がいいですか?」

「じゃ、じゃあ後ろから2番目の子で、あはは…」と言った調子。

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これに付き合ってる訳には行かないと、家族分のパンを適当に注文し、ついでに目に留まったフィナンシェを指差して言った。

「これ、2つ下さい。」

「じゃあ、ご自分で2つ選んでください。」

「へ?」

「当たりと外れがあるんですよ。」

「じゃあ、これとこれを…」

手前にあった2袋を店員さんに手渡すと、

「残念でした。両方とも外れです。当たりの袋には1個余分に入ってるんです!」

と、やたらに嬉しそう。

会計をしながら、なぜ営業日が週一日なのか尋ねてみると、次のような答えが返って来た。

・パンを焼いているのが、彼ら(人間の男性従業員)の母親一人であるから

・パンの具材(カレー、クリーム、あんこ等)まで母親一人の手作りであるから

・種類が多すぎて、深夜0時から焼き始めないと間に合わないから

とのことだった。

人間の店員さんの「良い休日をお過ごしくださ〜い!」との見送りの言葉を背中に聞きながら、「あの大量のパンは今日中に売り切れるのだろうか?」

と余計な心配をするGだった。

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