tomo-G の日常

定年退職後のG(爺)の日常です。

弟子

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3月29日、Gの最終出社日の夜、義父が亡くなった。

奥方の父親である。

92歳の大往生だった。

義父は某乳業メーカーのサラリーマンだったが、仕事一筋、貯金が趣味のような人で、遊興とか無駄遣いとは無縁の人だった。Gが若い頃、決して折り合いが悪かったわけではないけれど、ほとんど会話をした記憶がない。

何しろ口下手だし、無愛想なのだ。

そんな義父が何を思ったか、80歳を過ぎてからGの釣りの弟子になった。何気なく「たまには、海に出て釣りでもしませんか?」とお愛想を言ったら、なぜか「オウ、行くか!」と一発で食いついてきた。

義父の船釣りデビューは、大洗のエビ餌のハナダイだったと思う。

まれに見るほど手先が不器用な人で、指先に力が入るから活エビが針に刺す前にみんな潰れて死んでしまうのだ。

Gは義父に対して普段は敬語・丁寧語を使うのだけれど、この時ばかりは「なーにやってんの?どうすると、こんな風になっちゃうわけ?」と言った調子で師匠風を吹かせて「指導」した。

それでも義父は懲りずに、その後もカサゴやフグを釣りに出かけた。

そんな義父が亡くなった。

義父は昨年長男を亡くしていたので、葬儀の喪主はGが務めた。

「おい、会社が定年になったって、楽隠居するのはまだ早すぎるぞ!」と義父に気合を入れられたような気がするGだった。

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