tomo-G の日常

定年退職後のG(爺)の日常です。

深海釣り②

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Gの深海釣りデビューは、自宅から車で30分ほどの片貝港からだった。片貝の勇幸丸は釣りジャーナリストの盛川宏さんの著書にもしばしば登場する船宿で、先代の頃はよく深海釣りにも出船していたらしいけれど、代替わりをしてからは、お客さんのリクエストがなければ深海釣りの乗合船が出ること、はまずない。

2013年の年明け早々、そんな勇幸丸のHPにアコウダイ(メヌケ)乗合出船の告知を見つけて、すぐに電話をしてみた。

「深海釣り初めてで、道具だけは揃えたんだけど、釣り方教えてもらえますか?」と尋ねると、温厚な船長が「操舵室の真下の釣座で良ければ、教えてあげられるよ。でも、俺も人様に教えられるほど巧くはないけど。ハハハ!」と快諾してくれた。

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さて釣行当日、夜中に港に着くと、既に船には灯りがともり、他の釣り人達も到着した順に準備をしていた。

先に来ていた釣り人達は艫(船の後)寄りと艏(船の前)寄りの釣座を陣取っているので、船長が指定した胴の間(操舵室の下)には誰もいない。そこに荷物を下ろして、左右の釣り人の様子をうかがいながら準備をしていると、常連らしき釣り人が声をかけて来た。

アコウダイ、初めての人?船長から聞いてるよ。今日は凪が良さそうでよかったね。あっ、そのコードはこっちを通した方が…。」と、とにかく親切なのだ。

釣りをしている間も、船長以上に周りのベテランさん達がアレコレと面倒を見てくれて、心配していた専用治具での仕掛け投入も、一度も失敗することは無かった。

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その上、当日は魚の活性も高くて、初心者のGはベテラン・常連の先輩達を出し抜いて、一投目から5点掛けの提灯行列を達成だ。

群青の海に、深海から浮上して気圧変化に耐えきれず腹を膨らませて漂う緋色の魚体を、提灯の火になぞらえてそう呼ぶのだ。この瞬間こそが、深海釣りの醍醐味だ。

そんな光景を、デビュー戦の第一投目で見てしまったら、そりゃあやめられませんよ!